【129冊目】『論点思考』ー「解くべき問題」を見つけ出す
問題を解決するための手法は多くの本で書かれていますが、解くべき問題を設定するための本というのは少ない気がします。
本書は、その解くべき問題を定義するためにはどうするのかということが書かれています。
論点思考の重要性
論点とは「解くべき問題」のことだが、その解くべき問題を定義するプロセスを論点思考と呼ぶ。そして、問題解決のプロセスはいくつもの論点候補の中から本当の論点を設定し、その論点に対するいくつかの解決策を考えだし、そこから最もよい解決策を選び、実行していくという流れで進む。つまり、論点思考は問題解決プロセスの最上流にある。
どんな解決策を見つけても、それが本当に解くべき問題でなかったら全く意味がないですからね。最初に論点の設定を間違えたとしたら…間違った問題に取り組むことになります。そうすると問題解決を正しく進めることができたとしても、正しい答え、解決策は見つかりません。
知らず知らずの内にこうなっているパターンは多いのではないでしょうか。僕自身振り返ってみてもそうなってしまっていたと感じることがありますね。
本当に解くべき問題をどう設定するのか?これは苦手な人も多いのではと思います。
というより方法を知らないというべきかもしれません。
この問題解決プロセスの最上流にあるこの論点思考は間違いなく方法を知っておくべきだと。
あのピーター・ドラッカーもこう言っています。
「経営における最も重大なあやまちは、間違った答えを出すことではなく、間違った問いに答えることだ」
学校の勉強に慣れてしまっていると、出された問題に対して答えるので問題解決の方がなじみやすいかもしれません。
しかし、世の中解くべき問題というのは明確になっていることは少なく、本当に大事かつ難しい事はこの本当の問題を見つけ出すことだと思います。
論点の設定方法
論点の設定方法は本書に詳しく書いてあり非常に参考になります。
僕自身、ここは気を付ける必要があるなと思った箇所をメモです。
論点は一見してわかる単なる問題点(現象・観察事実)ではない。このことを最初に頭に刻み込んでおくことが大事だ
どうしても現象や観察事実について目が行ってしまいます。そして、それが問題だ!と。でもそれは本当の問題ではないということ。
論点を見つけるには、「本当にそれが論点か」とつねに疑問をもつ。「これが論点だ」という人の話を聞いて「なるほど」と思ってもそこで思考を止めてはいけない。「なるほど……でも、なぜなのか」と、「なぜ」を繰り返す。
この常に疑問をもつ姿勢がないと、本当の問題点は見つからないのかもしれません。
思考を止めない癖というのはどんな場合でも必要ですね。
論点らしきものが目の前に現れたとき、私は地祇の三つのポイントで問題を検討する。
①解決できるか、できないか。
②解決できるとして実行可能(容易)か。
③解決したらどれだけの効果があるか。
確かに解決できない問題にチャレンジしても成果は上がらないので、時間の無駄になってしまいます。また、それが解決できたとしても効果がほとんどなければ意味がありません。
実現が可能で、それに加え効果がでるのかどうか常にその辺も意識しないといけません。
☆☆☆☆☆
この問題を発見し、設定するための思考法である「論点思考」。
これの重要性というのは本書の前半を読めばよくわかります。いくら優れた問題解決方法を駆使して問題解決に至っても、本当の解くべき問題でなければそもそも意味がなくなってしまう。
問題を解くことには小さいころから慣れている人も多いですが、この問題を見つけ設定する方法を知らない、慣れていない人はとても多いはずです。
僕もその一人で本書はとても勉強になりました。