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【32冊目】『全体最適の問題解決入門』 → 木を見て森も見て

 

全体最適の問題解決入門―「木を見て森も見る」思考プロセスを身につけよう!

TOC理論が元

本書はエリヤフ・ゴールドラット博士のTOC理論の「思考プロセス」が元になっているといいます。

TOC理論とは、「Theory of Constraints=制約理論」です。
かなり前に読んだ、「ザ・ゴール」の著者の理論です。
 
本書の目的としてこう書かれています。
TOCを知らない人でも、そして「思考プロセス」そのものなどわからなくても、身近な問題から、大きな組織の変革の問題まで、全体最適で上手に問題解決を実践しながら考える力を自然に身につけていただくために書いた。
 

症状と原因をきちんと分けて考えることができているか

まず問題が起きている場合、
症状と原因をきちんと分けて考えることができているかどうかが重要だという。
本書では例も書かれていて、体調が悪いとき、咳がでていることは症状であり、それを引き起こしている原因を病気であるといっている。
日ごろの問題を考える場合、症状と原因をごちゃまぜにしてしてしまっていることが多いと思います。
これを正確に把握しない限り、正しい問題解決はありえません。事実を正しく認識するということ。これは非常に重要ですね。
 

対立を解消するには「思いこみ」をすてることが大事

やっつけるべきなのは単に「思いこみ」であって、それをやっつければ、互いに妥協なしに対立を解消できる素晴らしい案が出てくる。
何をするにもやはり思いこみは悪ですね。
ただその思いこみを捨てるのは、非常に難しいと思います。自分で思いこんでいるという認識もないですし、それが当たり前になっているケースが多いので。
その思いこみをすて、対立を解消する術として以下のものが紹介されている。
それは、「相・自・時・妙」であるといいます。
相→相手の要望尊重法
自→自分の要望尊重法
時→時と場合によって法
妙→妙案ひらめき法
 
それぞれの方法で共通することは「思いこみを導き出すための質問」と「解決策を導き出すための質問」をするということです。
それぞれの方法は詳しく本書に書いてあるのでそちらを読んでほしいが、なかなかなるほど~と感心しました。
「誤った思いこみを導き出し」「それに対しての解決策を導き出す」というこれらの方法は非常にシンプルでわかりやすい方法かと思います。
 

木を見て森も見る

私たちは個々の現象にのみ目が行きがちになり、とかくそれを分析し、解決しようとするアプローチを行うことが多い。この場合、「木を見て森を見ず」という状態になりかねず、問題の核心を見失ってしまうことも多い。そしてささいな問題の症状の分析と解決に明けくれ、結果的に問題の書くを放置してしまうことで、かえって全体としての問題は悪化る一方になってしまう。ある問題の解決に取り組んだことで、その対策がかえって現場を苦しめることになってしまうこともしばしばだ。
これは仕事をしている上で一番気を付けなければいけないことだと個人的には思います。経験のある人も多いのではないでしょうか。
どうしても自分の仕事だけうまくいけばいいとなってしまう人が多いと思います。それはそれで、その人はその仕事を全うしているのでダメだとは思いませんが、リーダーやその上に立つ人などはこの「木も見て森も見る」を実践しなければなりませんね。木だけみてればいい。森だけ見ていればいい。そういうことでなく、両方をみる。
 

「つなげる」ことが重要

本書ではその大「木をみて森もみる」大切さと具体的な方法が書かれています。
それは「つなげる」ことだといいます。
すべての現象はそれぞれに独立しているのではなく、それぞれの現象がつながりを持って、現状をより深刻にしているのが理解できる。
とあるように、すべての現象はつながっているのだという。それを把握すしなければ、核となる部分はみえてこないといいます。
そのつなげる方法として、「現状ツリー」というものをつくり、理解する方法が紹介されています。
これは、それほど難しくなく実践することができそうです。
 
一見複雑に見える現象の数々も、つなげることによってけっこうシンプルにわかりやすく理解することができる。
 
シンプルに理解し、シンプルに考えることができれば問題も解決できそうです。
 
本書ではその、問題を把握し、どのように解決していくかまで書かれています。
図も多く使われているので理解しやすいです。
僕が仕事で抱えている問題を例に実際にやってみましたが、非常にいいです。今後も問題解決の際の参考にしていきたいと思います。

 

全体最適の問題解決入門―「木を見て森も見る」思考プロセスを身につけよう!

全体最適の問題解決入門―「木を見て森も見る」思考プロセスを身につけよう!

 

 

余談ですが、
本書はずーーーと前に購入して、片付けをしていたら出てきた本です。
同じ本でも、その時はそれほど興味深く読むことはなくても、タイミングによっては興味深く読むことができることも実感できました。
 
本書の元となった理論が書かれてこの本もオススメです。もう一度読んでみようかと思います。

 

ザ・ゴール ― 企業の究極の目的とは何か

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