【125冊目】『ハゲタカ2.5 ハーディ』ーあの『ハゲタカ』シリーズのスピンオフ作品
Amazonの内容紹介より
日本を代表するクラシックホテルの日光ミカドホテルは、経営難に陥り世界的リゾートグループのリゾルテ・ドゥ・ビーナス傘下に。創業家の長女、松平貴子は、執行役員になって目標値を達成すればミカドを返すとビーナスから約束される。一方、謎多い中国の大富豪から救済案の提示が。陰謀の渦巻くなか貴子が闘う!
本書はあの『ハゲタカ』のスピンオフ作品です。
『ハゲタカ』シリーズといえば、鷲津。その鷲津ももちろん出てきますが、本当に少し。今回に限っては全くのわき役です。ただ、わき役だけれども話の中では重要な一面もあります。
そして今回の作品の主人公は、日光ミカドホテルの松平貴子です。この松平貴子は『ハゲタカ』の第一作品から登場している人物です。
その、松平貴子、その松平貴子の日光ミカドホテルが舞台の中心となって話が進められていきます。
世界的リゾートグループの会社から、日光ミカドホテルを取り返したい松平貴子。
そこに現れる中国の大富豪。そして、その大富豪が貴子に取り戻すための救済案を提供します。なぜ突然現れて救済しようとするのか。
内容としては満足のいくものだったのですが、今までの『ハゲタカ』シリーズと比較すると経済小説という側面が少なく、ミステリーの要素が強かったですね。
ただ結構展開が早く、長編ではありますが一気に読めてしまう内容です。
中国の大富豪が貴子に言った言葉の中でこんな言葉があります。
特に感情の行き違いだけは、避けるに越したことはありません。ご存じですか?世界の命運を左右する最大のエネルギーは、カネでも経済合理性でもない。人間の感情や欲望です。
なるほど~。と思いますよね。
といったようにこんな感じで勉強になる言葉、文章も至るところに書かれています。
今までの『ハゲタカ』シリーズと同様イイ小説だと思いますよ!
少なくとも僕自身は満足のいく小説でした。