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【121冊目】「アキラとあきら」~2人の魅力的なアキラ

  アキラとあきら (徳間文庫)

 

本書は、WOWOWでドラマ化された小説です。

Amazonの内容紹介より

零細工場の息子・山崎瑛(あきら)と大手海運会社東海郵船の御曹司・階堂彬(かいどうあきら)。生まれも育ちも違うふたりは、お互いに宿命を背負い、自らの運命に抗って生きてきた。やがてふたりが出会い、それぞれの人生が交差したとき、かつてない過酷な試練が降りかかる。逆境の立ち向かうふたりのアキラの、人生を賭した戦いが始まったーー。

 

僕はこの小説のタイトルをみて、上記のような説明書きは一切見ずに読み始めました。ですので、「アキラとあきら」というタイトルから敵対する2人のアキラで話が構成されているのかな?と思っていましたがそうではありませんでした。

 

生まれも育ちも違うアキラなのですが、この2人がうまく絡み合っているのです。しかも2人ともとても魅力的なのです。本当に魅力的。カッコイイんですよ、2人とも。

生まれも育ちも違うと書きましたが、本当に全く違うのです。一方は、大企業の長男として育てられ、もう一方はお金に苦労して育ってきているのです。その2人のアキラが銀行員になり、そこからまた話が膨らんでいきます。

 

 

勉強になることも書かれていたので、メモ。

商売の基本は簡単なことなんだ。どうすればお客さまに喜んでもらえるかーーそれを考えて提供すれば、喜んでお金を払ってくれるし、常連客にもなってくれる。(中略)でもその簡単なことが、実に難しいんだ

 

考えようとしないからだ。もうひとついうと、挑戦しないからだ。いままで成功してきたということにしがみついて、新しい環境に挑戦しようという気概がない。

 

一流の事業計画を持っている二流の経営者と、二流の事業計画を持っている一流の経営者。さて、どっちに投資をするのが正解でしょう?

 

純粋に経営を眺めているときには間違わないことでも、余計な感情がそこに加わることによって良からぬ方向へ向かってしまう。間違った道だということに気づかず、それが正しいと思いこんでしまう

 

往々にして解決策を見出すことは難しい。それを探しているうちにどんどん損失が膨らんで、後戻りできないところまで来てしまう。間違いを認めること自体が解決策なのに、それに気づかないこともある。これもまた間違いのひとるなんだよ

 

 

☆☆☆☆☆

僕はKindleで読みましたが、文庫本で700ページにもわたる長編小説です。ただ、そんな700ページという感じは一切なく一気に読めてしまいます。話もちょうどいいリズムで進むので全く飽きない。

この2人の魅力的なアキラが絶妙に絡み合う本書。おススメです。

 

アキラとあきら (徳間文庫)

アキラとあきら (徳間文庫)