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【132冊目】『億男』→自分の意志でコントロールできないもの「死ぬことと、恋することと、あとお金だ」

  億男 (文春文庫)

ずっと読んでみたいと思っていたこの本。

著者はあの川村元気さん。「電車男」「君の名は。」などの映画を製作した人。その人のお金とは何か、幸せとは何かということに対しての本です。

 

Amazonの内容紹介より

「お金と幸せの答えを教えてあげよう。」宝くじで三億円を当てた図書館司書の一男は、大富豪となった親友・九十九のもとを訪ねる。だがその直後、九十九が三億円と共に失踪。ソクラテス、ドストエフスキー、福沢諭吉、ビル・ゲイツ。数々の偉人たちの言葉をくぐり抜け、一男のお金をめぐる三十日間の冒険が始まる。

 

もし宝くじにあたったらどうする?みたいな妄想とかそんな話を周りとしたことがある人も多いはず。本書の主人公はそんな宝くじを見事当ててしまうのです。

 

そしてその3億円という大金を手にした主人公の一男は親友であった人物である九十九を訪ねます。3億もの大金をどうしていいのかわからないため。

その親友は仕事で大成功をおさめ、何十億という大金を持っています。

 

そんな彼が突然、主人公の3億円を持っていなくなってしまう。主人公は、借金もありそれが原因で家族とも離れ離れ。なんとしてもその3億円を取り戻したい。

その3億円を取り戻すためにその親友の九十九を探すのですが、その過程でお金とは何なのか?幸せとは何なのか?ということを主人公が知っていくという話です。

 

しかもそれもきちんと失踪してしまった親友の九十九が仕組んだこと。それは九十九が親友である主人公にお金と幸せの答えを教えるために。

 

と、ストーリーはざっくりこんな感じです。

 

ルールを理解する重要性

君は、少し調べるだけで分かるあたりまえのルールを知ろうともしなかった。お金の世界では、このルールを理解しているものが富み、知らない人間が貧しくなっていく。ポーカーやチェスと変わらない。そこには、誰にでも平等なルールがあるだけなんだよ。そのルールを理解し、勝てるまで学び、考えて行動する。それだけが勝敗を分けている。

 

と九十九は主人公の一男に言っている。

自分のことを考えてみてもこの誰にでも平等なルールが存在しているということをまず認識して、それを探すことをしているか?と言われたら確かに疑問です。しかもそれを理解し、学び、考えて行動するということをしなければ確かに何事も勝てないなと感じましたね。

僕は学生時代スポーツをやっていましたが、社会にでてから思うことはもっと自分を分析して、ルールをうまく活用し、勝負すればよかったとよく思います。そうすれば、もう少し勝てたかな、と。

 

勝負するときは1円でも多い方がいい

きみらみたいな貧乏人は、貧しいくせに道ばたの一円玉を拾わへんやろ。ボクは必ず拾う。さっきキミはバカにした目で見たやろ。でも、一円を笑うもんは一円に泣くって、あれはホンマなんやで。競馬がほんの数秒で決まるのと同じで、たった一円が勝負を分けることもあるというのんを、ボクらは知っている。使わんと貯めておけば、いつか大きな勝負がやってくる。そのときに一円でも多いほうがええに決まってるやろ。だから、来たるべき日に備えて一円玉でも拾う

 

ただ、なんの意味もなく貯金するのは意味がないと本書でも書かれています。ただ、来たるべき勝負の時に備えてお金を貯めておくことも重要だと言います。

貯めるときは貯めるけれども、使うときは使う。しかもその使うときには少しでも多いほうがいい。これは間違いないですね。少なければできることも限られてしまいますから。

 

当たり前のことを当たり前にやるということの重要性も書かれています。当たりまえのことを当たり前にやれば、ほとんどの勝負は勝てると。この来たるときに備えてお金をためておくことも当たり前のことですね。

当たり前のことを当たり前にって、簡単なように感じるのですが意外と難しいのですよね。そしてその当たりまえに気が付くのも難しい。

 

☆☆☆☆☆

本書はお金とは何か?を考えるときには必読の書ですね。

もっと早く読んでおけば良かったと。

生きていくのに、今のところお金とは切っても切れないですから、本書を読んでお金と幸せについて考えるのがいいと思います。

 

億男 (文春文庫)

億男 (文春文庫)

 

映画化もされるんですね。映画もぜひ観てみたいなあ。