【141冊目】『探偵の探偵』ーテンポもよく読みやすい
『探偵の探偵』を読みました。
本書は2015年にドラマにもなっていたんですね。北川景子が主役だったと。
著者は「松岡圭祐」。この著者の本は今まで読んだことがなかったです。
本書は1~4まであって、Kindleで購入したので合本版でした。
Kindleに出てくる読み終えるまでの平均的な時間は14時間28分でしたので結構長い!実際はそんな時間はかからなかったと思います。
内容
Amazonの内容紹介より
調査会社スマ・リサーチが併設する探偵学校に、笑わぬ美少女・紗崎玲奈が入校する。探偵のすべてを知りたいが探偵にはなりたくない、という彼女はなぜ探偵学校に入校したのか?スマ・リサーチ社長・須磨康臣は、彼女の驚くべき過去をつきとめる。須磨は玲奈の希望を鑑み「対探偵課」を設けた。紗崎玲奈はひとり、悪徳探偵を追う゛対探偵課探偵”となる。2015年エンタメ小説界の話題をさらった傑作サスペンス、待望の合本化。
ということで、内容を超簡単に言うと、ある探偵に恨みをもっている主人公がその恨みのある探偵を探して復讐するという話です。
と単純に話せばコレだけなのですが、読み応えはじゅうぶん。
様々な知識が書かれている
また、いろいろな小ネタが出てきて面白いんですよね。へー、そうなんだ!みたいな。
例えば、
玲奈は壁の操作盤に向き合った。テンキーに指を這わせる。賃貸物件のオートロックは、不動産業者の出入り用に、きわめて単純な暗証番号を設定する。最も多いのが呼1234か♯1234。ためしてみたが、自動ドアは開かなかった。次に確率が高いのは、呼ぶか♯のあと1111.それから0000、9999、7777、8888の順とされる。四ケタの連番で、二割のビルに侵入可能だった。
こんなこと普通しらないですよね。
また、こんな館内アナウンスも。
「業務連絡、200番。一階在庫。ヤマト、YKB。責任者呼び出し願います。」
200番。ライフでは配送車両の到着をしらせる合図にすぎない。だがイトーヨカドーにおいては、万引き常習者の来店を意味する。ヤマトは保安員、YKBは警備員。責任者とは警察のことだった。
とこんな感じで何ともマニアックな知識が至るところに書かれています。
その度に、「ほー」とか「ふーんそうなんだ!」とか感心してしまいます。普通に生きていたら知らないことが普通に書かれていて、小説の中では実行されていて驚きです。
現実にいる探偵もこういった様々な知識を知っていて、活動に使っているのかとても気になりますね。
確証バイアス
確証バイアスには気をつけろ。先入観をもって他者を観察し、自分に都合のいい情報だけを集めて先入観を補強する。そんなことがあってはならないという意味だ。探偵はあくまで客観的に、正確な情報のみを収集せねばならん。
という文章が出てきます。
主人公もこの確証バイアスで痛い目にあうのですが、これは探偵だけでなくてすべての人が気をつけなければいけないなあと感じました。
何かを見るときは、どうしても先入観をもってしまうことがあると思います。その時に、取り入れる情報は自分にとって都合のいいものだけを取り入れてしまう。これは、仕事をしている上でも思い当たる節がありますね。
☆☆☆☆☆
本書は、4冊が合本になっているので結構長いのですがあっという間に読めます。
ストーリーのテンポもよくとても読みやすいですよ!
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