【7冊目】センスは知識の集積→[読書感想]『センスは知識からはじまる』水野学
センスがある、や、センスがないとよく言われるがセンスとは一体なんであろう?
そのセンスは先天的なものではないと著者は言う。
センスのよさとはミステリアスなものでもないし、特別な人だけに備わった才能でもありません。方法を知って、やるべきことをやり、必要な時間をかければ、誰にも手に入るものです。
僕もあなたもセンスは等しく持っており、違いはどう育てているか、どう使っているか、どう磨いているかだとお伝えしたいと思います。
と書かれている。
アイデアは、生まれながらのセンスによるものではなく、センスとは鍛えられるものだという。
センスというとどうしても才能のある人が、どこからわいていくるものというイメージがある人が多いのではないでしょうか。しかし、著者は違うといいます。
あくまでもセンスとは知識の集積だというのです。
「センスのよさ」とは?
「センスのよさ」とは、数値化できない事象のよし悪しを判断し、最適化する能力である。
そのセンスというものをわかるためにには、まず「普通を知ること」が必要であるという。普通こそ、「センスのいい/悪い」を測ることができる唯一の道具だといいます。確かに、良し悪しを判断するには普通がわからなければ判断ができません。
数値化できない事象には、ありとあらゆるものがあります。ましてそれを最適化するとなれば、多角的・多面的にものごとを測った上で「普通」を見つけ出し、設定する能力が必要です。
ではどうしたらその普通を知ることができるのでしょうか。それは、知識を得ることだと言います。
普通を知る唯一の方法は、知識を得ること。そしてセンスとはその知識の集積であると言います。
奥が深そうです。
知識を増やす三つのコツ
1 王道から解いていく
2 今、流行しているものを知る
3 「共通項」や「一定のルール」がないかを考えてみる
1 王道から解いていく
王道のものはすでに最適化されているという。
最適化は、センスのよさの定義にもなっているもの。その最適化されている、王道のものを知ることはもちろん重要であると思う。
ロングセラーになっているものは、確かに学ぶべきところがたくさんありそうである。
2 今、流行しているものを知る
流行のものは、王道の真逆のものである。
流行しているものの多くはたいてい一過性のものであるという。
その王道と真逆のものの対する知識を知ることで、知識の幅を一気に広げられるという。
正反対のものを知ることができれば、先ほど出てきた「普通」というものがよりよくわかりそうである。
3 「共通項」や「一定のルール」がないかを考えてみる
自分なりの知識に精通するというプロセスで「共通項」や「一定のルール」を考えてみることを推奨している。
これは知識を集めるというより、分析したりすることで、自分なりの知識に精製するというプロセスです。
自分の頭で考えることが必要ということでしょう。得た知識をもとに共通項や一定のルールを考えることのによって自分のものになっていくのでしょう。さらに自分で考えることによって、さらなる必要な知識をさらにつけることも出ると思います。
センスの最大の敵
センスの最大の敵は思い込みであり、主観性です。思い込みと主観による情報をいくら集めても、センスは良くならないのです。
主観性というのはなかなか捨てられないのではないでしょうか。ただ、その主観性の枠からでないとセンスは良くならないという。あくまでも客観情報を集めることが大事だといいます。
たしかに主観情報ばかり集めても最適化はできない。しかも、主観情報というのは意識せずとも無意識に得てしまうもの。意識して客観情報が集める必要がありそうです。
センスに自信がない人は、自分が、実はいかに情報を集めていないか、自分が持っている客観情報がいかに少ないかを、まず自覚しましょう。いくら瞬時に物事を最適化できる人がいても、その人のセンスは感覚ではなく、膨大な知識の集積なのです。センスとはつまり、研鑽によって誰にでも手にできる能力と言えます。決して忌まれる木の才能ではないのです。
センスは一部の才能のある人だけのものではないという本書。
センスはすでに自分の中にある。あとは、それを知識の集積によって精度を高めていくだけ。客観情報、知識を意識して得るようにしていきたいと思います。
とてもしっくりくる一冊です。
Kindle版もあり。
目次
Prologue センスは生まれついてのものではない
Part1 センスは何かを定義する
Part2 「センスのよさ」が、スキルとして求められている時代
Part3 「センス」とは「知識」から始まる
Part4 「センス」で、仕事を最適化する
Part5 「センス」を磨き、仕事力を向上させる
Epilogue 「センス」はすでに、あなたの中にある