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【110冊目】『私の財産告白』ー実践することが大事

   私の財産告白 (実業之日本社文庫)

 

大学で教鞭、研究をするかたわら植林、造園、産業振興など多方面で活躍し、日比谷公園の設計や明治神宮の造林など大きな業績を残した著者ですが、その著者は独自の蓄財、投資法、さらには生活哲学を実践して莫大な財産を築いたといいます。

その莫大な財産を、大学を退官するときにすべて寄付したというのだから驚きです。

著者がどうやってその莫大な財産を築いたのか興味がわきますよね。ということで、僕も読んでみましたが参考になりました。

 

本多式「四分の一」貯金法

これが著者の財産を作るもととなったのは間違いありません。それは一体どんな方法なのかと…。

「あらゆる通常収入は、それが入ったとき、天引き四分の一を貯金してしまう。さらに臨時収入は全部貯金して、通常収入増加の基に繰り込む」法である。

書かれればそうなのか~とか、これならできそうかな?と思うのですが、家族を養う立場からいくと厳しいと思います。著者もか9人を抱えていた中で始めたといいます。

かなり苦しく、月末ちかくでは胡麻塩でのごはんばかり食べていたこともあるといいます。

ただしこの4分の1貯金法は、慣れてしまえば無理せず実践できそうですよね。4分の3しかもらわなかったとして、生活すればいいということですから。

 

投資

著者がドイツ留学した時の先生にこう言われたといいます。

財産を作ることの根幹は、やはり勤倹貯蓄だ。これなしには、どんなに小さくとも、財産と名のつくほどのものはこしらえられない。さて、その貯金がある程度の額に達したら、他の有利な事業に投資するがよい。貯金を貯金のままにしておいては知れたものである。

貯金だけでは財をなすことは難しい。ただ貯金をしなければ始まらないということ。

そしてこの「投資」というのはあくまでも「投資」でなければいけないと書かれています。「投機」や「思惑」ではいけなくて、あくまでも堅実な投資でなければいけないと。

 

アルバイトのススメ

著者は、アルバイトをすすめている。ここでのアルバイトは、副業といったもの。

勤労生活者が金を作るには、単なる消費面の節約といった、消極策だけでは十分でない。本職に差し支えない限り、否本職のたしになり、勉強になる事柄を選んで、本職以外のアルバイトにつとめることである。

こういったことを勧めるのはなんとなく意外でしたね。

著者の場合は、「一日に一頁」の文章を執筆したといいます。さらにいつしか「一日三頁」になってしまったと言います。

これをずーっと続け、370冊あまりの本を出すことができたというのだから驚きです。

他にも著者は、本務を決して怠けることなく、諸官庁の嘱託を引き受け、その他の学校の講師を掛け持ちし、さらには民間実業家の財務や事業上の相談に応じた。

なんでも働けるだけ働き抜くーというのが私のアルバイトでもあり、また確信をもって貫くアルバイト精神でもあったのである。

 

☆☆☆☆☆

本書の中から気になったことを書いたが、他にもまだまだたくさん参考になることが書かれています。この本が書かれたのが昭和26年ということでかなり前の本にはなるが、大事なことというのは時代が変わっても変わらないということを感じましたね。

 

読者諸君はこの本多の長談義の中から、たった一つでもよろしい、自らなるほどとうなずかれるところがあったら、ただちに、それをあなたの実行実践に移してください。実行実践に移していく以外に、当たり前のことを当たり前に述べた私の言説のっ持つ価値はあるいはきわめて乏しいであろうから。

ー私は昔から架空の議論は努めて避けることにしている。常に真実を見、真実を語るのが私の建て前である。

 

本書を読んで、この著者の本多静六さんはかなり好感のもてる人物だなと感じました。

 

私の財産告白 (実業之日本社文庫)

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人生計画の立て方 (実業之日本社文庫)

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