【74冊目】『一生食べられる働き方』→何のために働くのか?
Googleの米国本社副社長兼Google日本法人代表取締役をしていた村上氏の本です。
まず本書は読みやすいですね。テンポがいいのだと思います。
著者がどのように働いてきたのか、これからどのように働いていけばいいのかという内容です。参考になる点も多い本です。
矛盾の大切さ
大学を卒業して、日立グループで仕事を始めた時のエピソードが書かれています。
最初はひたすら「儲からんとあかん」と叩き込まれる。その後で「カスタマー・サティスファクションが一番大事。赤字を出してでも追求しろ」と一見矛盾したことを教わる。そうこうしていると、「実はな、お客さんが満足すればそれでいいんだよ」と、また全然別の話を耳打ちされる。もちろん、当時は「なんだ、それは?」と混乱しました。しかし、いまになってみると、この「矛盾」の大切さがわかるのです。私はその後40年間のビジネスマンとしての人生を、三つの矛盾した原理のバランスをうまくとることで生き抜いてきたことに気づきます。
こういう一見矛盾したことを言われる人は多いのではないでしょうか。まだ仕事を始めたばかりの時というのはこういうこともなかなか理解しがたいと思いますが、真剣に働いているとこの一見矛盾したことというのは実は全く矛盾していないことに気がつくと思います。
矛盾しているようでしていない事は世の中意外と多いですが、物事の本質を見ず表面上だけを見ているとなかなか気付かないものです。
営業のコツ
著者はおしゃべりだと言います。お客さんにもついしゃべりすぎてしまうことがあったようです。
「営業=話すこと」と思っている人も多いと思いますが、そうではないと本書には書かれています。そのしゃべりすぎてしまうのを欠点として注意してくれた人がいたおかげで著者は営業成績を伸ばすことができました。
得意先にわざわざ「これがおすすめです」と売り込まないのも同じこと。お客さんが商品を手にとったtころで、「お目が高い」と褒めて買わせるのがうまいセールスなのです。
これは納得ですね。
売り込むのか、買いたくなるような雰囲気、気持ちにさせるかの違いですね。売り込むのだけでは限界があります。
今はどんな業界も営業力が必要とされていると思いますから、参考になるはずです。一生懸命話している、説明しているのに営業成果が上がらないという人は特に。
何にでも首を突っ込む
こんな文章があります。
とにかく、未知の分野に出合ったら首を突っ込む。疑問があればその場で解消する、という場数を積み重ねていけばいいのです。
この何にでも首を突っ込むというのは自分自身やっているようでやっていないかもと思ってしまいました。やはり何にでも触れていかないとダメですよね。
著者は使えるとか使えないとかに関係なく、しらべて知識を頭に入れてしまうと言います。
「お前がそれを知ってどうする?」と思われても関係ないそうです。むしろ大局観を身につけるのであれば無理にでも視野を広げることが必要だと言います。
関係ないと思っていたことでも、意外なところでつながったりしますからね。むしろ同じものしか見ていないとどんどん見方が狭まっていってしまいそうですね。
食うために働く
本書で何のために働くのか?という答えにこう書かれています。
「食うために働く」と。基本的にはこれが重要だと言います。何かしっくりきました。綺麗事ではなく、まずは働くのは食うために。
もちろん、「食うために働く」と腹を据えても、なお「これでいいのか?」という疑問が働いてくることはあるでしょう。当然のことです。そして、その疑問のなかにこそ、成長のヒントが隠されているのだと私は思います。
著者もこの疑問がずっとあったといいます。
しかし、この「これでいいのか?」のなかに成長がある。このこれでいいのか?というのは懸命に目の前の仕事に取り組むからこそ生まれてくるものだと思います。
この疑問が生まれた時は、成長のチャンスだと思いますので今後も大事にしていかなければですね。まあ、常にこれでいいのか?と頭のどこかで考えている節はありますが。
<最後に一言>
働き方に迷いがある人、このままでいいのか?と考えている人は読んでみるといいと思います。ヒントになることがたくさん書かれていますから。