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【68冊目】『プラチナタウン』→地域再生のヒントになるかも

プラチナタウン (祥伝社文庫)

著者の本は初めて読みました。
本書、非常に面白いですね。財政破綻寸前というか実質的にはすでに財政破綻している町を再生させるという物語。
 
Amazonの内容より
出世街道を外された総合商社部長の山崎鉄郎は、やけ酒を呷り泥酔。気が付いた時には厖大な負債を抱えた故郷緑原町の町長を引き受けることに。だが、就任してわかったことは、想像以上にひどい実情だった。私腹を肥やそうとする町議会のドンや、田舎ゆえの非常識。そんな困難に挫けず鉄郎が採った財政再建の道は、老人テーマパークタウンの誘致だったのだが…。
 

地方再生の物語

もともとは大手商社のエリート商社マン。そのエリート商社マンが、本当につまらないことで出世の道を閉ざされます。そのつまらいこととは、採用試験で上司の親戚を不採用にしてしまったという(実力は全くなかった)こと。本当につまらないことですが、現実の世界では本当に起こりうることなんだろうなあと思いました。
 
そこから、自分の出身地である町の町長になります、が、この町の財政がすでに破綻寸前なのです。実際には破綻寸前というよりは、実質破綻しているような状況です。
そしてこの町の財政を立て直すのです。その手段が、 高齢者をターゲットにしたテーマパークタウンの誘致です。
 

プラチナタウンをつくる

すごーく簡単に言うと、引退後の高齢者を集めて住んでもらおうということです。
そうすれば、その施設にはいる高齢者だけでなく従業員とその家族の人口も増え税収アップというわけです。
なんとその数はこんなにもです。
入居者、七千四百五十人。就労人口六百九十人。総計八千百四十人。本当にこれだけの人口が集まるのなら、町の人口はほぼ1.6倍に膨れ上がる。
と、そのプラチナタウンの構想時にあるのですが、始まってみれば本当にこれだけの人が集まったのです。
 

もともとは一流商社マン

こういった構想を主人公である町長できたのも、町長はもともとビジネスに身を置く人だったからかもしれません。
主人公は、助役であり友人であり町長になるきっかけを作った役所で働く公務員にこう言っています。
お前らには、根本的に欠如しているものがある。金を使うことに頭は回っても、金を稼ぐ苦しさ、事業をやることの怖さを知らない。金は黙っていて入ってくるもんじゃねえ。死に物狂いで、命がけで稼いでくるもんだ
 
こうった考えのある人とない人では、町の運営が変わってくることは間違いないと思います。本書の主人公はこういった考えを持ちつつ、さらにそれを行動したことが成功した秘訣なのかもしれません。
 

行動が大事

行動するということに関していうと、もともと町長のいた会社のこのプラチナタウンの担当の人もいいことを言っています。
新しいことを始める先駆者には、大変なエネルギーが必要です。成功を信じて全身し続けなければ事は成し遂げられません。それが実現するまで、何年かかる分からない。でもね、その一歩を踏み出さないことには何も始まらないんですよ。

誰かが始めないことには、何も起こらない。そして結果もまた誰にも分らない。ただ、一旦成功すれば、必ずそれに続く人間が出てくる。世の中はそんなもんです。

 

行動することの大事さを説いたこの言葉。自分自身も行動しているか考えさせられてしまいます。常に行動し、先駆者とまではいかなくても行動しないつまらない人間にはなりたくないですね。
 
<最後に一言>
地方の財政も厳しいところが多いと思います。
帯にこう書かれてます。元衆議院議長の伊吹氏が、地方創生大臣の石破氏に本書を勧めた胸が書かれています。「地方創生大臣なら読まなきゃダメだよ」と。
地方の運営にかかわる人は一度読んだ方がいい本ですね。この通りに全てがうまくいくとも思いませんが、自分たちで自分たちの町の強みを考え、それを最大限生かすように行動していく。こういうことが大事ですね。

 

プラチナタウン (祥伝社文庫)

プラチナタウン (祥伝社文庫)

 

 

これドラマにもなっているんですね。

プライムビデオで無料で観れるようです。 主演は大泉洋。せっかくなので観てみようと思います。